
私が公務員試験を受けたのは、もう40年以上前のことになります。
ずいぶん昔の話です。
試験制度や出題傾向、勉強するための環境は、当時とは大きく変わっているでしょう。
それでも、試験勉強の基本はそれほど変わっていないのではないかと思っています。
私が受験して合格したのは、次の公務員試験です。
- 川崎市役所(上級)
- 国家公務員(中級)
- 裁判所事務(中級)
- 東京都職員(中級)
- 特別区職員(中級)
幸い、受験した試験にはすべて合格することができました。
特別な勉強方法を使ったわけではありません。
私が徹底したのは、「勉強範囲をむやみに広げず、決めた教材を何度も繰り返す」ことでした。
今回は、私が実際にどんな勉強をしていたのか、筆記試験だけでなく面接試験の準備も含めて振り返ってみます。
教材は一つの講座に絞った
当時は現在のように、書店に公務員試験の参考書がたくさん並んでいる時代ではありませんでした。
今では書店へ行けば、参考書、過去問題集、面接対策本など、さまざまな教材が並んでいます。
選択肢が多いのは便利な反面、
「こちらの参考書の方がいいのではないか」
「この問題集もやった方がいいのではないか」
と迷ってしまうこともあると思います。
私が利用したのは、実務教育出版の「公務員講座」でした。
たしか「国家上級」「国家中級」「地方上級」「地方中級」などに分かれていたと思います。
私はその中から「地方上級」の行政職を受講しました。
今のようなオンライン講座はありません。
送られてくるテキストと問題集を使って勉強し、論文などは通信添削を受ける。
今から考えれば、かなり独学に近い講座でした。
最初にテキストを見たときは、
「試験科目はこんなに多いのに、この薄さで本当に大丈夫なのか」
と不安になったことを覚えています。
それでも私は、ほかの教材には手を広げませんでした。
最初はテキストを何度も読む
まず行ったのは、テキストの通読です。
私は法学部に在籍していたので、法律科目は比較的取り組みやすい分野でした。
そのため、
「法律分野ではできるだけ落とさない」
と決めました。
一方、ほかの科目には、読んでもよく理解できないものがありました。
それでも立ち止まりませんでした。
すべてを完全に理解してから先へ進もうとするのではなく、まず試験に必要な知識を頭に入れる。
当時の私は、「理解すること」だけにこだわらず、「覚えること」も重視していました。
テキストは2、3回通読したと思います。
一度読んだだけですべて覚えられるわけではありません。
分からなくても先へ進み、また最初に戻る。
それを繰り返しました。
問題を間違えたら、必ずテキストに戻る
テキストをある程度読んだところで、今度は問題集を解きました。
ここで大切にしていたことがあります。
問題を間違えたら、そのままにしないことです。
必ずテキストの該当箇所に戻りました。
「なぜ間違えたのか」
「何を覚えていなかったのか」
を確認します。
ところが問題集を解いていると、テキストに載っていない知識が出てくることがあります。
そのとき私は、新しい参考書を買いませんでした。
ルーズリーフに必要なことを書き、テキストの該当ページに挟み込んでいきました。
自分だけの「オリジナルテキスト」ができた
勉強を続けるにつれて、挟み込むルーズリーフがどんどん増えていきました。
最初は薄かったテキストが、いつの間にかかなり厚くなりました。
いわば、自分だけのオリジナルテキストです。
問題を間違える。
テキストへ戻る。
足りない知識を書き加える。
そして、また読む。
この繰り返しです。
試験直前になっても、新しい教材には手を出しませんでした。
試験当日まで、このオリジナルテキストを何度も読み返しました。
今振り返っても、私の公務員試験の勉強法の中心はここにあったと思います。
勉強範囲を広げなかった
公務員試験を勉強していると、不安になります。
「あの参考書もやった方がいいのではないか」
「ほかの受験生は、もっと難しい問題集をやっているのではないか」
私にも、そういう気持ちはありました。
それでも、公務員講座以外にはほとんど手を広げませんでした。
一つの教材を決めたら、それを徹底的に繰り返す。
結果として、私はこの方法で、受験した公務員試験すべてに合格することができました。
もちろん、私のやり方がすべての人に合うとは限りません。
ただ、教材を次々と変えるよりも、まず一つの教材を自分のものにすることは、今の試験勉強でも大切なのではないでしょうか。
朝9時から夕方5時まで図書館に通った
当時の私は、朝9時から夕方5時まで、地元の公立図書館で勉強していました。
今のように自宅でオンライン講義を見ることもありません。
毎日、図書館へ行って机に向かう。
それが私の受験生活でした。
昼食は、同じ建物にあった定食屋さんでオムライスを食べるのが常でした。
勉強にはかなり気合を入れていましたが、昼食後は眠くなります。
本来はいけないことなのでしょうが、図書館の方の目を盗んで居眠りしたこともあります。
それでも夕方まで勉強しました。
振り返ってみれば、大学受験のときより勉強したと思います。
華々しい勉強法ではありません。
毎日同じ場所へ行き、同じ教材を繰り返す。
結局、それが私には一番合っていました。
面接試験は「その場で考える」のではなく準備しておく
公務員試験は筆記試験に合格すれば終わりではありません。
面接があります。
私が面接試験で大切だと思うのは、あらかじめ想定される質問について、自分の答えを準備しておくことです。
たとえば、
- なぜ公務員になりたいのか
- なぜこの自治体を志望したのか
- 学生時代に何をしてきたのか
- そこで何を経験したのか
- 自分の長所や短所は何か
といった質問です。
こうしたことは面接対策本にも載っています。
大切なのは、模範回答を丸暗記することではないと思います。
自分自身の具体的な経験と結びつけて、あらかじめ話せるようにしておくことです。
「学生時代に頑張りました」
だけではなく、
「何をして、どんなことが起こり、自分がどう考えて行動したのか」
まで話せるようにしておく。
そうすれば、そこから質問を掘り下げられても答えやすくなります。
想定外の質問をされたときも見られている
公務員になった後、面接官を経験したことのある職員から、こんな話を聞いたことがあります。
面接では、答えの内容だけを見ているわけではない。
受験者の態度や受け答えの仕方も見ているというのです。
どれだけ準備しても、すべての質問を予想することはできません。
想定していなかった質問をされることもあります。
そんなとき、必要以上に慌てないことです。
分からないことを、無理に知っているように答える必要もありません。
思い浮かばないのであれば、それも素直に伝える。
想定外の質問に対して、落ち着いてどう対応するか。
そこにも、その人らしさが出るのだと思います。
公務員になれば、住民から予想もしなかった質問を受けることがあります。
仕事で突然の問題が起きることもあります。
面接官は、用意してきた答えだけではなく、そうした場面での対応力も見ているのかもしれません。
倍率はあまり気にしなかった
公務員試験では「倍率」が公表されます。
私は受験当時、倍率をほとんど気にしていませんでした。
公務員になってからも、
「今年は倍率が高いんだってよ」
という話を何度も耳にしました。
もちろん、倍率がまったく関係ないとは言えません。
しかし、数字を見て不安になったところで、自分の得点が上がるわけではありません。
私が意識していたのは、むしろもっと単純なことでした。
「ほかの受験生が間違えない問題は、自分も間違えない」
ということです。
難しい問題を解いて差をつけることよりも、みんなが正解するような基本的な問題を確実に取る。
私は、その方が大切だと思っていました。
だからこそ、勉強範囲をむやみに広げるのではなく、決めた教材を繰り返し、間違えた問題はテキストに戻って確認しました。
受験者の中には、十分な準備をしないまま受験する人もいます。
私の学生時代にも、
「とりあえず受けてみる」
という同級生はいました。
そして、そういう人たちが全員合格したわけではありません。
大切なのは、周囲の受験者の数ではなく、自分が取るべき問題を確実に取れる状態で試験会場へ行くことだと思います。
40年以上たっても、勉強の基本は変わらないと思う
私が公務員試験を受けた時代と現在では、試験制度も教材も大きく変わっています。
スマートフォンもありませんでした。
YouTubeもオンライン講座もありません。
それでも、勉強の基本的な部分は、それほど変わっていないように思います。
教材を決める。
繰り返す。
問題を解く。
間違えたら戻る。
足りない知識を補う。
そして、また繰り返す。
難しい問題を解けるようになることだけが、試験勉強ではありません。
ほかの受験生が間違えない問題を、自分も間違えない。
そのために、私は同じ教材を何度も繰り返しました。
面接についても同じです。
志望動機や自分の経験を事前に整理し、自分の言葉で話せるようにしておく。
そして想定外の質問が来ても、必要以上に取り繕わず、落ち着いて答える。
私の場合は、この地道な方法で、川崎市、国家公務員、裁判所、東京都、特別区の試験に合格することができました。
特別な才能があったとは思っていません。
ただ、受験すると決めた以上、やるべきことを繰り返しました。
40年以上前の受験体験ではありますが、これから公務員を目指す方に、一つでも参考になることがあれば嬉しく思います。

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