
図書館というと何を思いつきますか?
本、CD、DVD、そして閲覧席。
閲覧席は調べものをしたり、勉強するためには欠かせませんよね。
でも、この閲覧席。自治体によって座席数は明確に異なります。
謎を解きましょう。
答えは、自治体の閲覧席へのスタンスの違いです。
本は家で読むもの?図書館で読むもの?
私が図書館に入った後、司書になるため勉強しました。
図書館学です。
図書館学では「資料」という言い方をします。
「資料」は情報の集まりで、必要な時に必要な資料を知ることができる場所が図書館というわけです。
資料の中には「図書(本)」も含まれます。
当時(1980年代)には、「図書館とは」という議論はありました。
図書館は①「資料」を提供する場か、②図書館は「資料」を提供するだけでなく「資料」を読む場でもあるという議論です。
青臭い議論ですが、図書館職員の間では真面目に話されていたことでした。
私が勤めていた自治体では、前者が最新の考えとされ、図書館は求める資料を提供する場なので、閲覧席は最小限に抑え込まれました。
となりの自治体では閲覧席が豊富に用意されて、学生の試験日など大いに賑わうということにもなります。
私は個人的には閲覧席が多いのは大好きです。
謎解きの結果
結果的には、閲覧席の扱いは、自治体の図書館への役割の認識の差です。
でも、今更ながらですが、当時の議論は、小さな図書館を数多く欲しかった労使双方の思惑からの議論だったように思います。
当時は労働組合の人員確保という思惑とも絡んで真相は見えませんでしたが、結局は敷地が広く取れない都心部図書館の言い訳にしか思えなくなりました。
今は、そんな経緯を覚えている人も少なくなったと思います。
図書館をそんなに重く考える必要はないのです。
かつて、私に向かって話した床屋さんの言葉が思い出されます。
「図書館って貸本屋だろう。もっと委託をしちゃえばいいんだよ」
コメント