最初の配属先で知った、公務員という世界の複雑さ

※本ブログは、配属順ではなく思い出した出来事から書いています。断片を通して、役所の実像を感じていただければ幸いです。

公務員として採用され、最初に配属されたのが図書館でした。

私は、役所とは整然とした組織だと思っていました。

窓口があり、書類があり、規則があり、職員は同じ方向を向いて働く。

多少の個性はあっても、大きく外れることはない。

そんな場所を想像していました。

しかし、図書館は違いました。

そこは役所でありながら、役所の論理だけでは動いていない場所でした。

レコード担当の人

図書館には視聴覚室があり、レコードを扱う担当がいました。

クラシック専門で、選定から廃棄まで一人で担っています。

人柄は穏やかですが、住民から苦情を受けると、

「うわぁ、助けてください」

と事務室に駆け込んできます。

ある時、何も知らない新人の私は、その人とクラシックコンサートへ行きました。

場所は上野の東京文化会館。

後日、職場で、

「あの人と行ったの?」

と驚かれました。

その時は意味が分かりませんでした。

後になって知ります。

役所には、「仕事の能力」と「社会性」が、必ずしも一致しない人もいるのだということを。

ライフルの人

何度か飲みに連れて行ってくれた先輩がいました。

その店では、なぜかおつまみはキャベツのざく切りだけ。

何を話したかは覚えていません。

でも、キャベツだけは妙に記憶に残っています。

ある朝、図書館に警官が来ました。

その人が出勤していなかったからです。

聞けば、飲み屋で喧嘩になり、家に戻ってライフルを持ち出し、

店の天井に一発撃ったとのことでした。

驚きました。

同時に、私を可愛がってくれた人の顔も浮かびました。

理解できない出来事と、

知っている人柄が、

頭の中でうまく結びつきませんでした。

早く帰りたい人

背が高く、オールバックでスーツ姿。

黙って立っていると図書館長に見える人がいました。

ところが、口を開くと甲高い声で、

「あのさぁ〜」

と話し始めます。

利用者が館長と勘違いして近づき、

途中で違うと気づいて慌てて離れていくこともありました。

彼は毎日、終業10分前になると帰り支度を整え、

出入口で時間が来るのを待っています。

今なら苦情になりそうな光景ですが、

当時は、それも一つの風景として存在していました。

私が受けた最初の驚き

新人の私は、正直かなり面食らいました。

ここは本当に役所なのだろうか。

そう思いました。

そして、

「図書館が特殊なのだろう。別の部署に行けば、自分が思い描いた公務員の世界があるはずだ」

そう考えていました。

けれど後になって、

私はもう一度、同じ驚きを経験することになります。

その話は、次の配属先――情報処理担当へ続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました