
配属された理由
最初の配属先は、図書館でした。
公務員には「一般事務」と「技術職」があります。
自治体によっては「図書館司書」という職種があるところもあります。
私は「一般事務」で入所しました。
にもかかわらず、なぜか図書館配属。
私が入った自治体には「図書館司書」という職種はありません。
だから、仕方ないと言えば仕方ない。
そう自分に言い聞かせていました。
それでも、どこか腑に落ちない。
しばらくして、ある記憶がよみがえりました。
公務員試験の面接のときです。
試験官にこう聞かれました。
「図書館でも良いですか?」
私は、ほとんど反射的に
「はい!」
と答えていました。
受験生が「嫌です」とは言えません。
でも、あの一言がすべてだったのでしょう。
そう思うと、不思議と納得できました。
新館設立準備担当
図書館に配属された私の担当は、「新館設立準備」でした。
要するに、新しい図書館をつくるための準備係です。
当時(昭和57年)は、自治体が競うように図書館を建設していた時代でした。
いわば、設立ブーム。
どんよりした気持ちで足を踏み入れた図書館の世界。
けれど、「設立準備担当」という響きは、どこか光のようでした。
少し、かっこよく聞こえませんか。
実際の仕事は、机や椅子を選び、図書を購入し、カセットテープをそろえること。
地道で、裏方の作業ばかりです。
それでも、何もない場所に一つの図書館を形づくっていく。
その最初の一年を任されたのです。
翌年からは、新しい図書館での勤務が始まります。
思えば、あの面接での「はい!」が、
静かに私の公務員人生を決めていたのかもしれません。

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