
清掃の仕事を始めて一週間ほどたったある日。
目を疑うものがありました。
なんと!ゴミ庫の中にエアロバスクが鎮座しているではないですか。
それも、その上に秩序なく乗せられたゴミの数々。
可燃ごみ、ペットボトル、空き缶、段ボール。
こんな多種多様なゴミの集団は見たことがありません。
エアロバイクを外に出す
ゴミ庫の広さは25㎡もない狭い空間。
住戸が60以上もあるマンションにしては狭すぎます。
特に、土日明けの月曜日。
この日はゴミ庫の中も雑多なゴミで埋め尽くされ、あふれ返ってしまいます。
エアロバイクが捨てられていたのも月曜日でした。
月曜日は可燃ごみの収集日。
急いで可燃ごみを出さなければなりません。
よりによってゴミ庫の入り口には、大量の段ボール箱が捨ててあります。
段ボール箱を急いで外に出します。
ようやくゴミ庫の外に出して、お次はエアロバイクです。
持ってみると重い、重い。
腰を痛めないように中腰になりながら、「よっこいしょ」。
完全には持ち上がらないので、片方を引きずりながらの大移動です。
ようやくゴミ庫の外に出ます。
「やった!」喜びもつかの間、気がつくとゴミ収集車がきています。
いかん!
ゴミ収集車の係員に一声かけます。
「待ってくださ~い。今、出しま~す」愛想よくふるまいながら声をかけます。
ゴミ庫からゴミを出す私。それを引き取って収集車の後部のゴミ捨て口に投げ入れる収集車の人。
完璧な連携作業です。
無事に可燃ごみの収集が追わり、「終わったぁ」。
収集車の叫び声が響きます。
「ありがとうございました」元気に挨拶する私。
心の中では「トホホ」だったんですけどね。
ゴミ収集券
可燃ごみの収集を無事にやり過ごしましたが、問題はエアロバイク。
粗大ごみを捨てる場合は「有料ゴミ収集券」を買って廃棄する物に貼らなければなりません。
ところが例のエアロバイク。
どこを見ても貼ってありません。
仕方なくゴミ庫の外。空きスペースに寄せて置いておきました。
エアロバイクの怪
翌日、出勤してみると、例のエアロバイク。
どこを見てもありません。
「ん?」
あんな重いものを誰かが持っていったのでしょうか?
たまに見かけるビールの缶を拾い集めているオジさんかな。
どう考えても、缶集めのオジさんがエアロバイクを持っていったとは考えられません。
あのエアロバイク、どこにいったんだろう。
「母さん、僕のあのバイク、どうしたでしょうね?」
映画「人間の証明」にでも出てきそうです。
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